卒論書いたりなんかを調べたり、あるいは日常のふとした瞬間にも
「こういうことって社会的にはどれくらい起きているんだろうか」
と気になることはよくある。
統計資料ってのは誰にとっても興味深いよね。
政治家にとって国民の所得格差や選挙予想は必要不可欠だし、企業
人や経営者にとって経済状況や消費者の販売意欲の推移は死活問題。
クリエイターにとってiPhoneやスマートフォンの利用者数やUIの変
遷は次のクリエイションに繋がるだろうし、人々のブログやtwitter
への興味はメディア関係者を変化の状況へと追い込んでいる。
俺はグラフも表も読み解くのは苦手なんだけど、面白いのが人によ
ってそこに書かれている数字から見えてくる世界が違うってことだ。
大きな数字やグラフの変化だったらなんとなく誰にでもわかるかも
しれないけど、細かな上下に対してこれは何々の影響、これはテレ
ビの報道が一時的に働いて、、、と見える人には見えてしまう。そ
こからどんどん変革や自分の創造へと飛んでいける。
都築響一にとってイメクラや秘宝館がアート作品に見えるように。
彼が日本中のスナックに足を運んで日本のローカルでディープなカ
ルチャーを取材したのもスナックは全国に数万軒?あって、なおか
つ飲食店のガイドブックも溢れているのにスナックのガイドブック
は一冊もないという気づきからだった。
まぁそれで1日2軒以上はしごして年間250回近くあらゆるスナッ
クに通いまくり、ほぼ全ての店でボトルキープし、880Pにも及ぶ
『スナック魅酒乱』をつくってしまうフィジカルと編集者魂には脱
帽だが、その話はまたいつか。
そんなこんなで、面白い統計まとめサイトをつくれたらいいとふと
思ってる。完全に、ふと、ね。
そしてそのテンションだけでキーボード叩いてみた。
統計についてググってみると総務省の統計局がトップに出てくるん
だけどなぜかアクセスができない。他にもちょっとだけ調べたけど、
あんまり統計といえば!みたいな民間サイトはなさそうな雰囲気だ
った。
日本映画連盟だの音楽なんちゃらなど、それぞれのジャンルのサイ
トに飛べばまぁ色々と数字は出てくる。市のホームページとか行っ
ても数字はある。
けどとりあえず見にくかったり見つけにくかったり。全部縦割り。
あとは知りたい数字の結果に辿りつけるんだけど、それってとても
グーグル検索的というか、検索→結果のみのプロセスや文脈を廃棄
した因果関係しかない。そうじゃなくて例えば昨年上映された邦画
の本数を調べたかったのに横に書いてある10代男子におけるティッ
シュペーパーの使用頻度の変遷グラフに目がいっちゃったとか。ブ
ームとなったがメジャーシーンから消えたミュージシャンのその後
の仕事の変化統計の方が面白そうだとか。事故的に違う情報に出会
ってしまう溜まり場になったほうがいい。それはテーマやタイトル
の付け方でどうにでもなりそうだよね。本と同じで、今までの扱わ
れ方がよくなかった(自由度に欠けた)ジャンルなのかもしれない。
けどハマればYoutubeみたいに1日中見てても飽きないサービスに
化ける可能性もあるよ。少なくとも統計好きな人は意外と多い気が
するし。
難しいのは統計の信用度とテーマの自由度の両立。嘘っぱちな数字
を並べちゃったら元も子もないのだけど、テーマ的にひねりや新し
い関係性は絶対必要。統計学とか全然わからないから信憑性のある
数字を導き出すのにもかなりの専門的知識がいるのかもしれない。
責任の所在がちゃんとあることをアートディレクション含めてみせ
ていく工夫は必要だろう。
けど一方で今や多くの人がデジタルデバイスを持っているから情報
はいくらでも取ってこれるじゃないかなぁ。Tカードなんかはレジ
で使うたびにポイントが貯まる一方、買ったものがデータ化されて
ひとりひとりの消費傾向が全部統計化されてるって話を聞いたこと
がある。そういうロジックを工夫すればマスレベルの統計もけっこ
う簡単にとれるんじゃないかなぁ。
それかサイトはもちろんフリーで見れるんだけど、独自の調査アン
ケートに答えてもらうことで閲覧可能になるとかっていうギブ&テ
イク式もアリかもな。
しかも公開されている統計って変に改ざんしたりしなければ基本的
にどう利用してもいいわけだよね?それならいくらでも2次利用で
きるし、極端な話、自治体のホームページでは見にくかった内容を
整理してグラフを書き直してその数字の背景やどこの部分に注目す
べきかを解説加えてアーカイブ化していくだけでもかなり価値のあ
る情報になると思う。
なぜか頭に思い浮かんだアイデア。けど統計学の欠片も知らない今
の俺はノウハウもショウハウもないので実現方法はよくわからない。
でもアイデアに価値がある時代だよね、きっと(え、もうそんなこ
とない?笑)。
だとしたら俺のアイデアをシェアしてみても面白いのかなと。