2009年11月25日水曜日

ぐるぐる


前回のブログの引き続きにもなるんだが。

最近はとてもスタジオジブリに関心を持っていて、
その周囲の本を読みあさっている。

ちなみに、関連のある本を立て続けに読むのはとても面白い!
誤解を恐れずに言うと、一冊からめちゃくちゃ学ぼうなんて全然思わなくていいんだよね。
読書ってやっぱ、“勉強”みたいなイメージがあるし、映画とかと違って、読むからには学ぼうみたいな雰囲気がどこかにある。
俺も今まではそんな感じだった。

でも、そんなの必要ないんだよね。
むしろ、似たテーマの本をどんどん読んじゃえば、内容が被ってきたり、本同士が連なり始めて、自然と理解できてくる。

スポーツなんてまさにそう。
1回の練習でボールを正確に蹴るようになんてなれっこない。
けど、毎日同じ動作を繰り返すと、染み込んでいく。

そういう意味で、スポーツというか肉体的なものは、人間の営みの上でとても根本的な部分を支えているから面白いよね。
知的な人もそうだけど、体力あるヤツってやっぱ信頼できるし。



で、話を戻すと。

えっと、そうだ、ジブリだ。

ぜひぜひ観てほしいYoutubeがあるんだ。

これね。
「もののけ姫はこうして生まれた」っていう制作ドキュメンタリー。
8〜10分くらいに分解されているんだけど、
全部観ると結構な長さ。
続きはYoutubeで探して。

元々はDVD化された商品だから、
それをYoutubeで無料公開しちゃうっていうのとか、
それをオススメしちゃうっていうのは、
色々メンドクサイ問題を含んでいそうだけど、
いっぺん見出しちゃうと、
とりあえずそんなこと心配してる暇なない。


もうね、

鳥肌、

ハンパないよ。

ガンガンだよ。


とりあえずイントロからもうヤバい。
「もののけ姫」の完成から4ヶ月もたっているのに
宮崎駿は、
「まだ、この作品で自分は何を描いたのか、総括し終わっていないんです」
だって。

この時点で、
鳥肌マックス。



もちろんお金は本質じゃないんだけど、
気の遠くなるような作業を繰り返して、
これだけ素晴らしい作品をつくっているアニメ制作の現場の実状は、
もう全然稼げなくて、
仕事場としての環境がほとんど整っていなくて、
(だから安定して稼げるTVシリーズものにどんどん流れていって、
週に何十本というアニメが放映され、
その量がもはやアニメーションの本質そのものを変えてしまっている。
まぁこれは別の問題だけど。)


それを、
鈴木敏夫がぶっ壊したんだよね。

まぁアニメ界の現状は置いといて、
社員を固定にして若い人をしっかり育てて、
給料も安定した固定給が入るようにして、
結果的に日本でも数少ない成功したアニメスタジオになった。

やっぱり必要になった時に、お金をダイナミックに動かせるっていうのはスゴいよね。
お金の使い方や関わり方ってとてもセンスが要るというか、
その人らしさがでるので、
そういう意味でもジブリはかっこいい。



で、カネの話じゃなくて。


このドキュメンタリーを紹介したかったのは、
もっと裏側を観ようってこと!
もう視野の狭い下らない広告とか、
他のことには知らんぷりしてばっかりのブランドという制約とか、
加算のメディアのくせに全然信頼できないTV番組とか、
そんなのはちょっと飽きてきたから、
表面上にしかない上澄みばっかりじゃ、
全く本質に近寄れないのではと思う。

でも、映画の制作ドキュメンタリーとか、
面白いよね??
みんな好きだよね??

たぶん、世の中に出回っているもの以上に、
裏側を観ることってみんな結構関心があると思うんだ。
下らない色んな理由で削ぎ落とされているんだろうけど、
ここら辺はまだまだ勉強不足だからあんまり言えないな。

ただ、もっとそういうものはあっていいはずだ。

裏側を見て、感じて、悩んで、

螺旋階段を登るみたいにさ、

上から見たらおんなじところをぐるぐる回っているだけみたい。
けど、それはどんどん上に昇ってるんだよ。

だから裏側を観る前と後でやってることは変わってなくてもいいのかもしれないな。

糸井重里が、
ただ単にバカやってるやつは大嫌い。
けど、ぐるりとひと回りしてきたバカは大好き。
みたいなことを言ってて、すげー共感できた。


このドキュメンタリーにも、
とてもいい言葉がたくさんでてくるんで。
ビビッときたところをどんどんノートに書き留めていけば、
それだけで強くなれた気がするw

しかもこのドキュメンタリーは、
個人的にはよくできていると思うので、
大衆向けだけど、いいところを抑えているし、話の展開もいいし。


けっこうボリュームがあるから、
勉強の合間にとか観たいところなんだけど、
とてもじゃないけど、間を埋めるような簡素な内容じゃない!
そんときはもう諦めて、
がっつり観ちゃってくださいw

2009年11月20日金曜日

君をのせて



もちろん観たよね?
「天空の城ラピュタ」

俺は久しぶりに見た。
最近はジブリの作品を観なおしているんだけど、
もう、まるで整理できないくらいに胸を締め付けられた。

俺は「風の谷のナウシカ」が大好きで、
そこには木々や虫達がまるで人間達に訴えかけるような、意思を持っているかのような世界があり(勿論そういう解釈はよくないんだけど)、深い感動を覚えた。

ナウシカのヒットによって宮崎駿は「エコロジスト」呼ばわりされ、そういった声を裏切るかのようにラピュタをつくった。


なんとそこは、石やロボットが、無機物達が「生きている」世界だった。
鳥肌がぶわーっと、全身を走った。


人間の言葉を持たないけど、生物である植物や虫ならまだわかる。
けど今度は、無機物だなんて。

宮崎駿は、そこに落ちている小さな石ころにも「鼓動」があることを教えてくれる。
とても人間的な解釈の仕方だし、エゴがあるともいえる。

けど、俺たちはそうやって、
絶望と矛盾のあいだに立っても「大丈夫です」という大ウソをついていかないといけなんだと思う。
そこで「もうおしまいです」と言っちゃいけないんだ。




そういえば、今日偶然本屋でCutを見つけました。
特集が「スタジオジブリ、その現在、過去、未来」。
勿論即買いで、これから読みます。

ジブリ一色の表紙のくせに、ジブリの記事自体は全体の4分の1くらいだったり、
ジブリの記事のあとすぐに「2012」の広告で、そのあとはジョニーデップのグラビアだったり、
今日の日テレの放送に関しても、映画が進行してリズムを生み出している最中に突如CMに入ったりと、
不満の感じる部分は色々な場所にあるけど、


ふと思ってしまって、
こんなこと言うのは不謹慎かもしれないけれど、

もし宮崎駿が亡くなったら、
もしスタジオジブリが終わったら、

俺たちはどうなるのだろう?
いや、どうするべきなのだろう?

「またひとつ、日本が誇るべきものがなくなってしまったね」で終わらせてはいけない。
日本中の森にトトロを住ませた奇跡を、忘れてはいけない。

彼らの表現を汲み取って、伝え、行動し続けるべきだ。

俺は自然好きだし。
今風の言葉で言うとエコロジスト。
その、もうひとつ深い次元で、自然と関わっていきたいな。

それに、一生を費やしてもいいんじゃないかと思う。


なんだかジブリ作品を観たあとは、
おそろしいくらい正直な気持ちになれるなーー。

2009年11月18日水曜日

とりあえず夕焼け空



今日サーフィンをしてたら、夕日がめちゃくちゃきれいだった。

ってか最近は午後にサーフィンすることが多いんだけど、
よっぽど天気が悪くない限り、ほぼ100%夕日がきれいなんだよね。
ぶっちゃけ、
いっつもめちゃくちゃきれいな空の下で、波に乗ってるんだよ。
特に鵠沼は西の方角にジャマなものがないから、
太陽が落ちきるまでがよく見える。
時間の変化に伴って、
色の変化、雲との関係性、空気感、光量、
色んなものを直接感じとることができる。

俺がイライラしてようと、なんだろうと、
そんなの知らんっつって、
蒼い空がオレンジ色に染まって、マジックアワーが訪れて、月が出て星が輝く。

これってなかなか贅沢。
この幸せ物め。


でも思えば、ご来光とか見るじゃん?
それも年に数回、富士山とかのぼってさ。
あーきれいだなって思うけど、

あれって、毎日やってるんだよね。
毎日太陽は昇るし。

別にロマンチックじゃないよねってことを言いたいんじゃなくて、

ようは、毎日すげーきれいなんだよ。


特別なこととか、特に目立ったこととか、頭のいい作戦じゃなきゃとか、
そういうものがないと人は反応しないし、お金ももらえない。

けど、それはみんなが思う以上に、特別なものじゃなくていいんじゃないかと思う。
当たり前のものでもいいのかもしれない。

逆に言えば、そういうものがどんどん人々の中に染み出していけば、
特別なものの見方も変わるかもしれない。
もしかしたら、相乗効果みたいなのが生まれるかもしれない。

ハレとケ。
非日常と日常。
浄土と羅刹。
そういうものをもっと横断していかないと。
どちらかが見えなくなったら、もう片方も見えなくなる。


もしかしたら俺は、そういうことがやりたいのかなと、
日々悩むのでした。

11月中には、色々悩みも減らして、行く先見据えて、
行動していかなきゃな。


風邪は治ったのに、
咳だけ止まる気配がない。
どのクスリが、
いいのでしょうか。

2009年11月14日土曜日

秋の新作、届きました。


デジタルハリウッドという専門学校に、
今年の1月からぽろぽろ通っていました。

主にCGの技術的な勉強をしていたのだけど、
Pixarが大好きとかそういうことじゃないんだけど、
映像をつくる人間として、ひとつの手法としてCGというツールは、
とてもやりたい放題できていいな、と思い、
なにか行動を起こさなくてはと、
毎週土曜日に御茶ノ水にあるキャンパスに足を運んでみたんです。


それで、できた作品がこいつ。
タイトルは「Chain」です。

ん?
なんか動画の右端が微妙に切れてる、、、
解決方法がよくわかんないんで、ブログの右側の、
「作品」ってとこにも、
“Fly Over The Pale Sky”の下にあるんで、
そっちから見てくださいっ。
それはちゃんと見れるはず。
でてきた画面クリックすればYoutubeに飛んで、
より大きな画面で見れるんで!


なんかつくるにあたって思い浮かべたことはパラパラとあるんだけど、
映像を見せたあとになんかすぐに自分で解説を始めるのはどうかと思うので、
また日を改めて書こうと思います。

読んだ単純な感想とか、ダメ出しとかが聞けたら嬉しいです。




CGのいいところは、PC1台あれば誰でも自分の世界観を存分に詰め込めること。

現実にはない世界でも、頭の中につくっちゃえば、CGはそれを具現化してくれる。

だからもっと自由でいいんだと思う。

まぁ、やりたい放題やることと、観る人が理解しにくいのと、
その因果関係はそれなりにバランスとる必要があるかもしれないけど。


コレをデジハリのクラス内公表会でみんなに見てもらったときは、
それなりにみなさん、冷ややかな反応でしたw


「あー、まぁ、今氏くんの世界観だからねー。いいんじゃない」


まぁ確かに俺はそれなりに自由につくったし。
他の人はどちらかというと、カーチェイスのシーンとか、
もちろん自由なんだけどエンタティメントという既存の枠にハマっている感じ。

どっちがいい悪いはどうでもいいんだけど。

なんとなく、ショックを受けました。

やっぱりよくわかんないものを拒絶している雰囲気は否めない。

異質なものを嫌がる、閉塞感。

もちろん僕の映像にも反省点は多々あるけど、

やっぱり表現しながら解決していくんだな、と思います。




あ、ちなみに作中の音楽は。

俺の中ではもうおなじみ、ShunnybobのCityという曲を使わせていただいています。

もう、映像なんて余裕で食ってるくらいいい曲です。

しゅにーありがとー。



秋の新作のつもりですが、

世の中すっかり冬の予感しまくりですね。

2009年11月9日月曜日

風邪ひくなよ



ここんところ数日間は完全に風邪にやられていた。

俺は真冬でもサーフィンするから風邪なんかひくわけがない!と勝手に自負してたんだけど、全然そんなんじゃなかったw
たかが人間、弱い生き物だよホントに。


とりあえず今のテンションとしては、誰かとなんか面白いことしたいなってこと。
最近自分のことばっかり考えたり悩んでたりしたから、そうすっとどうしても答えが出なくなるし行き詰まる。
人と共同作業すると自分じゃ気づき得ないこととか突然変異的にでたりするからね。



そして今、「雑誌」が面白い。
空前の雑誌ブーム。
雑誌自体というか、雑誌的な考え方がすげー魅力的。

なにが面白いって、雑誌だから「雑」じゃなきゃいけない。
情報を雑に組む。
整いすぎてちゃいけない。
色んなことがパッケージされまくりーで、バキバキに固められた完成品しか見られない。
そうすっと柔らかさがなくなるから、ぶつかったら傷がつくし、流動的にもなれんのだ。
そんでもって、雑誌はただの変な情報の集まりだなーってならないように、中心にブレないなにかをちゃんと据えておく必要がある。
出版業界がめちゃ不況だし、書籍の電子化みたいな話もあるし、資源の話とかもあるし。
むしろそれ以上にネット上のコンテンツにしたら色々できそうだな!

Web上で雑誌的な考え方で盛り上がってるコンテンツってなんかある?
それかそういうことやってる会社とかある?
ほぼ日とかは面白いよね。
でもあれはマネできないし、これからやるんならさらに違う切り口が必要だよね。
面白法人カヤックとかも考え方が近い気がする。


まぁまぁ、そんな試みを企んでる。
1人で作業すんのもう飽きちゃったし!


そして、先日宮沢章夫さんの言ってたYoutubeがこれ。
笑わせようとかじゃなくて、本気でやってるから面白いんだよね。
なんというか、思いっきり引っ張ってる紙の真ん中にちょっと切れ込みいれたら、一気に破ける感覚かな?
相当笑えますw

2009年11月6日金曜日

1×1=1? 2? 10? or?


みんな頑張ってるなー

とてもいいことだと思うんだよ。

電通でも、博報堂でも、楽天でも、なんでもいいけど。

自分達の考え方があるし、目標がある。

すげーことだよ、まったり生きているわけじゃない。



けど、アレ?って思う。

みんないいと思っていることをやっている。

けど、Aさんの思ういいことと、Bさんの思ういいことが違ったら。

もしかしたらすげー危険なことが起こるんじゃないかって。



企業が利益を得る。社会貢献をする。エコを推進する。

そういうことをやらせようとすると、企業はものすごく強い。影響力もある。

けど彼らは、自分が決めた設定を絶対に疑えない。
柔軟さがない。


「コーラがあればみんながハッピー!」
ホントにそうか?
コーラのせいで海が汚れるかもしれない。
コーラのせいで飲み物文化に多様性がなくなるかもしれない。
コーラのパッケージ化されたCMのせいで人々の創造力が失われるかもしれない。

そうやって視野が狭くなると、その時しか生きられない。
すると、これから先どんどんツケがまわってくる。
リーマンショックやら、食料問題やら。
俺は詳しくないけどさ。


だから若い人はみんな
「自分さえよければハッピー」
「自分のコミュニティさえよければハッピー」
って閉じてしまう。

この気持ちはすげーわかるし、俺もそういう考え方をしがちだけど、たぶんそうじゃないんだよね。
外に開いて、実践して、模索していくしかないと思う。



創造力しかこの問題を解決できないんじゃないか。

とても抽象的だけど。

迷って、悩んで、掴もう。