2010年12月14日火曜日

事故的シンクロ



 誰も狙っちゃいないはずなのに、絵に描いたようにあらゆるものが同調し調和していく瞬間ってのがある。シンクロニシティ。最近それが、少し恐いくらいに多い。昨日の円卓もそうだった。まだ興奮冷めやらぬままテンションで書いているので、なんのこっちゃと思う人もいると思うけど、まぁ簡単に言えば飲みの席でメチャメチャ盛り上がったってこと。ただそれだけ。でも今じゃそんな何気ないことの中にこそ、鎮守の森へと育つ小さな芽が潜んでいる気がしてならない。



登米で一度だけお会いした佐藤さん(@satoshi__sato)とtwitterで「メシ食いましょう」みたいなメッセージを取り合ったのが始まりだった。何気ないコミュニケーションのひとつ。

そこに佐藤さんの友人である菊地さん(@Tats_Kikuchi)が加わり、

偶然トシ(@Toshi_nouM_nouL)が東京に来てて交ざり、

さらに中野案内をしていたリュウ(@KurokawaRyu)が加わって気づけば志士5人の飲み会に発展。ほとんどみんながみんなを知らない。全員見たことあるのはトシだけ。


しかしそもそもスタートからなんか違った。松丸本舗に集合したら、たまたま取材で松岡さんが来店してたのだ。俺の中では店主閣の日以来の雰囲気が店内を包んでいた。棚の反対側にいても伝わっているオーラのような妖気。ただ松岡さんがいるだけなのかもしれないけれど、「何かありそう」な雰囲気だ。松岡さんの著書を以前から読んでいた佐藤さんと菊地さんはいきなりのサプライズに嬉しそうだったし。俺もトシに松丸を少し案内できてよかった。

しかもちょうど松丸の新企画「クスクス贈りマス」の初日。日本における本を贈る文化の出発日に居合わせた。これもなにかのシンクロ。


そこから銀座に移動して千と千尋の油屋みたいな酒場で円卓を囲んで、ビールと焼酎が入り始めればもうみんなスイッチオン。誰もが思ってもいなかったくらいアツいトークが繰り広げられたのだ!




色々な話が飛び交って忘れてしまった内容もあるけど、今なお俺の海馬にベッタリとこびりついているネタといえば、


・原発か自然エネルギーか。あたかも対称に見える因果関係だけで世界は動いていない。エネルギー全体の根底を探っていかないと環境問題もなにもかも解決は有り得ない。


・日本は白と黒が隣り合わせに同居できる国。一神教では2色だけを遠くに置くしかないけど、日本ではそれがビットマップのように連なっていて俯瞰でみればグレイに見える。


・日本はノウハウはたくさん持っている。しかしショウハウ(見せ方)を持っていない。だから大きなコミュニケーションの渦にまで発展していかない。個々の要素だけみればとても優秀で魅力的。


・俺らの世代がやるべきことは「交ぜる」こと。分けつくされた世界をもう一度結びつけて再構築すること。つまり編集。コミュニケーションをディレクションするのだ。


・焼き鳥を見てもニワトリが見えない。切り身と生身のあいだがまったく見えなくなってしまった。グーグル検索的なものが蔓延って、そこにある物語がなくなった。物語こそがもっとも大事であり、これからはそこに価値が生まれてくる(元々は当然のようにあったのに!)。


・情報やメッセージにはそれを担保し責任を取れる特定の個人が見えるべき。そうすればウソやホントにうだうだ言うつまらない議論はなくなって、リコメンデーションが次の情報価値をつくっていく。


・月がきれいですね(by夏目漱石)。


・今や僕たちは、立場や年齢や国籍も関係なくアイデアひとつカバンに入れてあれば仕事も遊びもこなすことができる。




不思議なくらい、これらのトピックが全部いま俺の興味があることだった。交ぜる話と物語の話なんてどストライクもいいとこ。

けどちょっと冷静に考えてみれば単純で、俺に興味があって好きだから覚えていたんだな。脳科学的「好きこそものの上手なれ」だったよな、海馬は。


他にもキーワードとして

pass the baton

遠山正道

河は眠らない

マルチツール

馬と共存できる社会

TED

Dropping knowledge


などなど出てきてたかな。ちょっとでも引っかかる人はまたこっからシナプス広げていきましょう。



もちろん飲みの席なので、会社のプレゼンみたく喋る内容をバッチリ用意したりはしてない。なのに1人の話が次の話題を呼び込み、次のネタを足して、焼酎を掛けて、最後にそれを人数で割ってと、、、完全に「Tokyo Times」状態。感じていたのは俺だけかもしれないけど、会話の中でどこか「次は俺が話すぞ」みたいに自分を刀を振るうタイミングをみんなが狙いまくっていたような気がする。俺が話そうとした瞬間、出だしがカブって、でも勢いで俺が黙っちゃってみたいな笑



本当にあらゆることがつながっている。職種も立場も世代も違えど、時代を通して真ん中にひた走る「なにか」を掴んでいる(もしくは掴もうとしている)者同士だからつながれる。円卓の真ん中には確かにそんな宿り木のようなものがあった。俺はそれが「方法」や「物語」だと言い換えたい。



もっとあらゆるシンクロを起こしたい。事故的に色んな人と肩を組みたい。

そして発信していきたい。