2010年3月12日金曜日

ホイットマンだ!




詩集も「本」というハードウェアであることがとても重要な気がする。

文章の連続ではなく、文節の協奏。
もちろん文脈はあるのだけれど、まぁどっから読んだっていい。
だったらいっそのこと新しいハードを詩集のために考えたっていい気もするけど、
『ライ麦畑でつかまえて』のとなりにも、
『敗れざる者たち』のとなりにも、
『世界はわけても分からない』のとなりにも、
広辞苑やBRUTUSや日記帳のとなりにだって、
スーッとおさまっちゃうところが、
「本」なんだよね。
ひとつのハード、多様なソフトなわけで。





というのも、ウォルト・ホイットマンなわけですよ。

彼の詩集を読んだわけですよ。


僕とホイットマンの出会うきっかけは犬式。
現在進行形のミュージシャンに100年前の詩人を紹介してもらったのは初めてだ。
曲中にホイットマンの「草の葉」第32節が引用されているのだけど、
こんな詩だ。


私は身を動物に変えあのいつも穏やかで独立独歩の動物たちと共に生きられればと思う。
私は足を停め、長い間いつまでも動物たちをみつめる。
動物たちは自分達の在るがままの現在にぐちをこぼさず、また骨を折ってあくせくもしない。
動物たちは暗闇の中で目を開いたまま横になって何かを罪に泣くこともない。
動物たちは、神に対する義務について討論して私をうんざりさせもしない。

一匹として満足せぬは無く、一匹として蓄財に熱中するあまり狂乱状態になるものも居ない。
一匹として他にひざまずかず、また数万年を生きながらえてきた種族の流儀に盲従するものも居ない。

そしてこの地上の何処にも一匹として社会的地位のあるものはなく、また不幸をかこもつものも居ないのだ。



かっこよすぎる。
詩集におさめられた33篇の詩を読んでみるのですが、
彼の生きた時代背景や、宗派や、人生のプロセスなんて全部置いといて、
まず空っぽの状態で。


彼は「矛盾」を生きた詩人であり、武装して戦う詩人でした。

矛盾しない限り、重荷を背負わない限り、
豊かになれないことをホイットマンは理解していたんだなー。

「眠る人々」という詩の一節で、
狂気にやはり正気の面倒をみさせよう!
と詠うのだけど、
このスイッチングができるのは矛盾を許容していない限り不可能だよね。

私についてこい という詩がある一方で、
君は、私が信頼に値し誠実であると思っているのか? などと、
まるで反対の言葉。
言ってることもバラバラなようなんだけど、
そもそもひとつにまとまっていくこと自体にどこか怪しさがあるのだ。
それは何周もしないと辿り着けるわけがないのに、
20歳そこそこで「何があってもスマイルスマイルー!」
に至るわけがないのだよ。
もちろんスマイル大切だけどね。

人間こそ、
ひとつのハード、多様なソフトなわけで。



みんなが大好きなミスチルだから俺も好きなんじゃなくて、
それじゃみんなと俺の関係性じゃん。
そうじゃなくて、俺とミスチルの関係性から好き嫌いになるしかないんだから、
注意すべきは、俺がオススメするからホイットマンはいい詩人ってわけじゃないんだよ。
紹介しといてなんだよっていう感じだけどw

ただここでホイットマンとみんなに関係性が始まるのなら、
俺がブログに書いたことにも価値がありそうなわけで。
その関係性は、どうぞ自分でデザインしてください!




とりあえずやりきろうとカラ元気してみたシュウカツに対する俺のモチベーションが、
気づけば読書、映画、サーフィンに支配された生活。
いかんいかんと思いつつも、
スーツを着ることへの茶番さが消えない、、、。
どうしたもんでしょうか。
これから面接なのに、
ホイットマンへの思索をめぐらせているっていう。

2 件のコメント:

  1. 矛盾を抱えたゲンタがさーてどう暴れてくれんのかー!
    へっへっへー楽しみだぜー!笑
    おれもホイットマン買って読もーっと。
    5/4農Music農Life田植え決定!洋平さん来るよー。
    とりあえず泥ん中入っとく?人間として〜。

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  2. としくん
    今はがぜん矛盾の中で苦しんでおりますけどね!
    まったくお前の調子の良さにはビックリだわw

    よほどのことがない限り、いく確率99%!
    田植えしてー!

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